御挨拶

  • 屋号としての混(com)。
    混 色 とは光の三原則(RGB)。
    食 と 色(ショク)、
    それは無限のカレイドスコープ。

    私の水晶体に写る可視光線には、
    人と自然、日本の文化と、
    世界の料理が色々混ざり合い、
    慶ぶ色んなお客様で混み合う
    com munityの生まれる長屋。
    そんな景色が広がります。

    【フィロソフィー】
    寺西家阿倍野長屋
    (文化庁登録有形文化財第270268号)。
    この四軒長屋には「四季」がある、「喜怒哀楽」がある。
    4という数字は死を連想させ、忌み嫌う数字ではあります。
    ですが、私達は多くの生命を奪いながら、
    大切な日常生活を過しています。
    命を頂く、食べるという行動は、身体を形成し、
    生命活動に必要不可欠です。

    命を絶って命を繋ぐ。
    自然界に存在する食材は死んだ訳ではなく、
    食べることにより私達の身体の中で活き続ける命の連鎖。
    花火じゃないけど、消えてなくなる芸術。
    「森羅万象」「八百万の神」「一物全体食」「始末の心得」
    に習い、古い長屋建築も食材もゴミと思わず、
    素材の良さを最大限に引きだし、足りない部分を補う、
    そして、再び命の輝きを宿す。
    私達の身体を含め、有機物とは炭素C。
    灰にもなりますが、
    ダイヤモンドの原石でもあるのです。

    命のバトン。
    水は、身体をめぐり、木々や花、海を渡り、
    空から大地へ、そしてあなたの元へ。
    生命は生産者から市場など経て、
    料理人、サービスマン、そしてお客様へ。
    色んな人と人との結びつき、その心が一つの皿になる。
    この空間は時代と国境を越え、旅の終わりでもあり、
    旅の始まりでもあるのです。

    アナログとデジタル、それは横長と縦長。
    長屋は横長のアナログ。
    かつて隣近所のお付き合いもあった。
    ビルは縦長でとデジタル。
    隣人とも見知らぬ箱の中で、世界と繋がるネットワーク。
    色褪せると共に輝きを増し、時が経つとともに
    更に価値の高まる文化財の長屋。
    大地を生きた木々は今、形を変え町に溶け込む木造の建造物。
    この長屋は、目まぐるしく速く進むデジタルな現代を、
    立ち止まり、アナログな温もりを感じさせる。

    心臓の鼓動と、時計の針音。
    時を刻むとは、生きる時間を数えています。
    無駄な時間とは、命を削るに等しい。
    生命とは生まれてそして死ぬ、そのことは、
    どんなお金持ちや貧乏人でも決まっている。
    そして死に方はほぼ自分では選べない。
    食事の場が一日3回とあるのなら、一年間に1095回。
    エネルギーの摂取、そのためだけではなく、
    お客様に大切なお時間を提供するために、
    料理だけが商品ではないと考えています。
    心に、とどめて頂けるヒトトキを味わえるよう、
    光 が 影 をより深くし、陰 が 光 をより際立たせる。
    私共が目指す、お客様へのおもてなしの心で御座います。

    人類は海からやってきて、四足から二足歩行に。
    それは顎や舌の長さ、横向きの胴体から重力を感じる垂直になり、
    食材の滞在時間が変わる為、消化吸収時間による味覚の変化がある。
    将来、無重力空間が長くなれば、
    感覚器官や筋肉、人の味覚の受容体も変わるでしょう。

    伝統とは当時の最先端で大流行したものです。
    ルーツを理解し 、枠にとらわれず、
    食 というステージで、変化に柔軟に進化し、
    色んな彩り、 混 色 の灯りを、燈して活きます。

混のシツラエ

【寺西家阿倍野長屋】

国指定登録有形文化財第270268号

大阪景観建築賞大阪市長賞

昭和7年 1932年 建立

平成15年、長屋としては全国初の文化財

【箱庭】

苔で七本の和の枯山水

一滴の水が波紋の様に広がりやがて大海に繋がる。

一つ一つの行いがやがて成就を成す。

曹源一滴水の禅の教え

地中の瓦

瓦は本来屋根の上にある物を地中に埋めると云うことは、
このお店は屋根よりも高く高くという志を表す。

○△□

仙厓義梵(禅僧、画家)の考える宇宙の根源など様々な解釈がされた模様を料理器具のセルクルで用意。
私達の独自考えで ○ は自然、 □ はポリゴンなど人工的な物。それが調和する △ 。

雲龍柳

上昇していく龍の如く雲にまで。

赤色と紺色のタッセル

上手の赤色は太陽が昇り、下手の混色は太陽が沈む姿。

青龍の瓦

雲龍柳の間に東に登る
干支でいう東南の辰、四神の方角である東に青龍(財運、成功運)

  1. ①子孫繁栄を意味する。硬いところが湿っていると良く育つ。
  2. ②浄化した場所。菌に打ち勝ち育つ胞子。
伊勢神宮の鳥居

混(com)から南東方面に伊勢神宮が位置する。
外宮の豊受が食べ物の神様を祀られるている。
食べ物を生業にしているので、ここからお伊勢さんに繋がるようにと鳥居。

鬼瓦

北東は鬼門にあたり、魔除の鬼瓦。

神々しいく聖域の入口を表す。

留石、関守石

立入禁止の標識(主に茶道の世界で用いられる。)

【入口】

天の空白

メニュー看板の空白を下より上を大く空けることにより、
まだまだ未熟で未完成、上にまだまだ伸びるような志を表現。

右肩風車

右肩上がりに上手く回るように。

目と鯛

瓦と炭で、目のようにも見せて魚のように見せる、駄洒落ですが目出度いが七つ。

手水鉢

身も心も浄めてお入りくださいを意味する。
霧で神々しい雲海をイメージしここからは聖域の入口を表す。

御辞儀下駄

WELCOME、下駄でお出迎え。

生の掛け軸

手前と奥の薔薇で入口から屋内に吸い寄せる。

神楽(ベル)

約4350Hzの音色が心を落ち着かせる8Hzへ

【長屋参道:外の北側】

サは農作物の神様、クラは腰掛。
桜は食べ物の神様が居る所(諸説ある)

坂出の五葉松

一年中、冬でも青々とした葉を付けるため、強い生命力と不老長寿の縁起の意味をもつ。
「松竹梅」と呼ばれ目出度く、神様を出迎える門松にも使用される。

【二階】

舞桜

お客様が入られた時に食べ物の神様が右肩上がりに舞い降りたかの様に。
七色の薔薇をあしらって。
(諸説ありますがサは農作物の神様、クラは腰掛け。
桜には神様が居る場所という語源もあります。)
下にも食べ物にちなんだものを右肩上がり並べる。

薄い照明
①陰影

光が影をより深くし、陰が光をより際立たせる。

お客様が光であれば、私共は黒子となり影となる。

その相互関係を目指し、お陰様と思われるように、お客様へのおもてなしの心

②薄暗い

昭和7年の建造物である文化財の長屋、当時の最先端が今では懐かしい。
そんな色合いを再現。

③人が恋をするとペニエチルアミンというホルモンがでて、
その人の情報がほしい為に無意識に瞳孔が開く。

薄暗いと光の情報を得る為に整理作用で瞳孔が開く、
料理をもっと見ようもっと恋をしてもらうため。
バーで口説きやすく恋しやすいのもその心理。

違い棚

味覚以外五感を表す。

枯山水の掛軸

一滴の水が波紋の様に広がりやがて大海に繋がる。

一つ一つの行いがやがて成就を成す。

曹源一滴水の禅の教え

- Chef シェフ -

四代目料理人
高瀬慶一郎

プロフィール

1998年12月生まれ 岡山県出身
エコール辻製菓マスターカレッジ 卒業
2018年より,基本を学ぶべく京都にてお菓子の道に進む。
2020年より、イタリア料理店へ転職
2023年4月 フィロソフィーへのシンパシーの元、キッチンバー混(cöm)へ。

ご挨拶

食品ロスを観点に、食材の良し悪しに拘らず、一つ一つの食材と向き合い素材を最大限に生かした料理を提供します。

三代目料理担当(2017年10月〜2023年5月)
小倉勇人

プロフィール

1988年1月17日生 兵庫県出身
辻調理製菓専門学校を卒業後、神戸北野の名店ホテル系列のフレンチレストランを経てイタリアンへ転向。
本格的イタリアンに留まらず、鉄板焼やBAR等の経験を活かし
志を共に混(com)の厨房に立つ。

二代目料理番長(2006〜2017)
福西啓之

プロフィール

1981年8月14日 奈良県生まれ

初代料理長(2004年9月〜2005年12月)
吉田 徹

プロフィール

1981年、愛媛県生まれ。
幼少の頃より料理の道を志し、19歳より修行を開始。
関西圏・都内のフランス料理店で勤め、2011年に渡仏。
「Les Deux Canailles」(Nice)にてスーシェフとして始業。
2014年より「Jean-François Piège」「George V 」(Paris) でスーシェフとして勤め2017年に帰国。
2017年4月に「Origin」(大阪・天満橋)オープン。
https://origin-french.com/
2022年同店ミシュラン1つ星に。
https://guide.michelin.com/jp/ja/osaka-region/osaka/restaurant/origin

初代店主 / 創業者(2004年9月〜2017)
伊藤史晃

プロフィール

1982年、兵庫県三木市生まれ
アルバイト時の経験を活かし、大学卒業後にキッチンバー混を創業
その後、中国料理AKA、和食料理店、BARなど飲食事業を展開。
年に株式会社イトー 代表取締役へ就任
現在は家業を継ぎ、地元三木市の地場産業(金物)の発展に力を注ぐ。
https://whatnot.theshop.jp/

- 店主挨拶 -

お客様の喜びが私共の幸せ。
過去も未来も、日本中そして世界中からこの小さなお店で1つになり、お客様へ繋がる。

この古い長屋も当時の最先端、今では懐かしく感じます。
このまま受け継ぎ、長く続ける事が出来れば、更に貴重な価値ある文化財、宝石箱のようになるのでしょう。

お料理も色んな生産者の方々の命を、混(com)で綺麗に丁寧に磨くことで、お皿の上で彩り輝く。

お客様は光り輝く宝石のように。

モノクロの古びた木造建築はカラフルなショク(食=色)の万華鏡のように美しい世界に広がる。
飲食店という舞台は、主人公であるお客様にスポットライトを当て、私達は黒子となりそっと寄り添う。

答えは1つでは無く終わりは無い。
私共の望むもの、それは
お客様の喜びが私共の幸せで御座います。